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人生時計とは






「人生時計」という考え方を聞いたことがある人も多いと思います。
人生を1日24時間に例えるこの考え方は感覚的にもわかりやすく、世間にかなり浸透しています。
ただし、見逃しがちな罠があるのです。
- 社畜の人生時計は日中の自由時間がとても短い
大人を励ます人生時計

人生時計の例えが使われる場面を挙げてみます。
「30歳」というのは人生の一つの節目であり、確かに若者というには微妙な年齢かもしれません。もうやり直しはできない、と考えがちです。
ですが、「人生時計」で考えれば30歳は午前10時。まだ午前中の早い時間です。1日はたっぷり残っています。やりたいことがあれば今からでも遅くない、がんばれ!
…というのが人生時計が引き合いに出される場面です。
この考え方は前向きで決して悪くはないのですが、別の見方もあることを考えてみてほしいのです。
特に、「まだまだ時間がたっぷりあるんだから、大丈夫」と楽観的に考えてしまう人は本記事を見て少し考えてみるといいかもしれません。
人生時計の別の見方
「自分はまだ午前10時だから安心だ」と思った方、ここで少し別な見方をしてみてください。
人生時計は0時からスタートしている
この場合、朝起きてエンジンがかかり始めるのが9時くらいで眠くなるのが23時くらい。つまり、先の例で言えば、午前10時というのはようやくエンジンがかかりはじめる頃という感覚です。だから、まだ1日が始まったばかりと感じるのです。
しかし、人生時計は午前0時からスタートしています。午前10時というのはすでに10時間が経過しているということなのです。あなたが午前0時に起きていたら午前10時というのがエンジンかかり始めだと思うでしょうか?もう10時間も起きてるのか…という感覚だと思います。
午前10時だからまだ早い時間だ、と考えるのは早計かもしれません。
人生時計は休日スケジュールではない


あなたがサラリーマンであれば日中8~17時というのはバリバリ働いている時間です。残業が常態化していれば20,21時まで仕事していることもあるでしょう。
人生時計も同じ。日中は仕事の時間であり、休日ではないのです。
人生時計を修正してみる
人生の3年=人生時計の1時間として、もう少し真実に近い人生時計に修正してみましょう。
あなたが60歳過ぎくらいまでフルタイムで働くサラリーマンとすると、人生時計はおおむね以下のような感じになります。
少年期(中学生くらいまで):1~5時。夢の中でヒーローになっている。
青年期(大学生くらいまで):5~8時。まだ眠いけどそろそろ叩き起こされてラジオ体操を始めたりする。
壮年期(40半ばくらいまで):8~14時。いわばここが本番。午前中からがむしゃらに働いて、そろそろひと息いれたい時間帯。
中年期(定年くらいまで):14~21時。定時で上がるなんてとんでもない。夜もとっぷり更けてようやく仕事から解放される。ちなみに朝8時から休憩なし。
2週間のリフレッシュ休暇は、人生時計では46秒の休憩に相当する。これじゃトイレにもいけない。
高年期(人生の終盤):21~24時。仕事も終わり、何にも煩わされずにくつろげる時間。とはいえ、もう時間も時間なので、こたつに入ってみかんを食べたり、横になって本を読んだり、あまりアクティブには動けない。

まだ8時(24歳)のあなた、もしサラリーマンを続けるなら、これから21時まで「休憩なし」なんですよ。
人生時計に惑わされない
人生時計はわかりやすい考え方ではありますが、まだまだ時間があるという変な余裕を心に作ってしまいます。
「まだ時間があるのだから挽回できる、頑張ろう」という前向きな考え方は励ましになって良い面もありますが、その一方で残された「自由時間」は多くないという意識も心の片隅に持っておいた方がいいと思います。
そうすれば、もっと効率的な働き方や時間の使い方をしたいと考えるようになるはずです。
人生は有限です。だからこそいいのです。
その限られた時間を精一杯楽しめる生き方を探していきましょう。

