サラリーマン投資家の「生活防衛資金」はいくら必要?

投資は余裕資金で

ゆかり
よーし、株式のこともわかってきたし、私の貯金を全部投資に回すわ!
銀狐先生
あ、あのちょっと…
ゆかり
ここから一発逆転するわよ!
銀狐先生
おーい、ゆかりさーん…

生活していくために必要なお金、つまりあなたや家族の生活を守るために必要な資金のことを「生活防衛資金」と呼びます。

例えば、突然の失業などで収入が途絶えてしまったとき、次の仕事が見つかるまでの間はこの「生活防衛資金」が命綱になります。

逆に言えば、この生活防衛資金以外の資産が、すぐに必要ではないお金「余裕資金」ということになります。

余裕資金 = 全資金 - 生活に必要な資金(生活防衛資金)

投資はこの余裕資金で行うのが大原則です。

投資は多かれ少なかれリスクを伴います。投資のために命綱の生活防衛資金に手をつけてはいけません。

生活防衛資金は英語では「rainy-day fund(雨の日のための備え)」といいます。
まさに、冷たい雨から守ってくれる「傘」のようなお金です。もしこの傘を手放してしまったら、ずぶ濡れになりますよ。

生活防衛資金で得られる3つのメリット

生活防衛資金を準備しておくことでどんなメリットがあるでしょうか。

世界最大級の投資会社であるバンガード社は、生活防衛資金には3つのメリットがあると示しています。

参考
https://investor.vanguard.com/emergency-fund/

不測の事態でも安心していられる

人生は予想外の出来事の連続です。

  • 突然の解雇
  • 病気やケガ
  • 引っ越し
  • 家の修繕
  • 車の故障
  • 結婚や離婚

これらの出来事はそれ自体が精神的にストレスのたまることばかりですが、家計に与える経済的打撃も相当のものです。

生活防衛資金はその経済的な打撃を和らげてくれます。

悪質な借金を防げる

先ほど例にあげたように人生にはさまざまな出来事が起こります。これらの多くは経済的な負担を伴うものです。

突然引っ越ししなければならず、でもお金がない。そうだ、借りればいいんだ、と考えて安易に消費者金融などから当面の資金繰りに必要なお金を借りてしまう。これが借金地獄の始まりです。

奨学金や住宅ローンと違ってこれは無計画で家計にとって悪質な借金です。

いざというときに必要なお金を生活防衛資金としていつも確保しておくことで、このような悪質な借金をしなくてもすむようになるのです。

不要な物の衝動買いを防げる

外国には、「Out of sight, out of mind.(見えないものは忘れられる)」という格言があります。

銀狐先生
後で読もうと思っていた本を棚の奥にしまって、そのまま忘れてしまうこと、ありますよね?

目に見えないところにあると、普段はその存在を意識しなくなってしまうということです。

この人間の心理をうまく利用して、生活防衛資金を普段の口座から分けておくことで、そのお金は普段意識されない資金となります。
つまり、生活に必要なお金を普段意識しない安全地帯に確保しておきます。

これにより、衝動買いなどによって生活に必要なお金に手をつけてしまうことを防ぐことができるのです。

銀狐先生
今はインターネットからポチッとクリックひとつであらゆる物が買えてしまいますから
ゆかり
それだけ衝動買いの誘惑が多いんですね

生活防衛資金はいくら必要か?

ゆかり
生活防衛資金が大切なのはわかったけど、一体いくら準備しておけばいいんですか?
銀狐先生
家庭の事情によって違ってきますが
生活費の3カ月~2年分
というのが目安となります

つまり、月20万円で生活している家庭では生活防衛資金は60万円~480万円となります。

ゆかり
ちょっと幅が広すぎじゃないですか?

生活防衛資金として何ヵ月分の生活費を確保しておくべきかは残念ながら一概にはいえません。
というのは家庭状況や性格によっても違ってくるからです。

例えば、夫婦が共働きであれば、たとえどちらかが失業してももう片方の収入があるわけです。よって、生活防衛資金は片方しか働いていないケースよりは少なめでも大丈夫だろうということになります。

また、別の例として、あなたがひどく心配性で十分なお金がないと夜も眠れないという場合は、多めに生活防衛資金を確保しておいた方がいいでしょう。

このように、仕事の状況、家族の人数、子どもの有無、さらに個人の性格によっても適切な生活防衛資金の額が異なってくるのです。

下記に該当する項目が多いほど、リスクが少ないと考えられるため、生活防衛資金は少なめでもよいと思います。

  • 夫婦が共働きである
  • 会社の給与以外からも収入がある
  • 年齢が若い
  • 正社員である
  • 転職に抵抗がない
  • 健康である(大きな持病がない)
  • 楽天家である

ただし、少なくとも3ヶ月は生活できるだけの生活防衛資金を用意しておくことをおすすめします。

生活費の3か月分の根拠
自己都合退職の場合、失業保険が給付されるまで最長3カ月間の待機期間があります。

つまり、この3ヶ月間は今までの蓄えで生活しなければいけません。
そのため、「生活費の3カ月分」を最低限用意しておけばOKというのが一つの考え方です。

バンガード社でも生活防衛資金は「3~6ヶ月」分が適当であると言っているので、最低ラインが3ヶ月と考えてよさそうです。

生活費の6か月分の根拠
職を失ったときに失業保険が給付されるといってもそれはあくまでも次の仕事が見つかるまでのつなぎにすぎません。

30代、40代であれば、9割以上は6か月以内に再就職先が見つかるというデータがあります。

出典元:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2014/2860.html

そのため、次の就職先が見つかるまでの6カ月分の生活費を用意しておくというのが、一つの考え方です。

生活費の2年分の根拠
もともとこの「生活防衛資金」という考え方を世に広めたのは、金融コンサルタントである木村剛氏の「投資戦略の発想法」という本だと言われています。

この書の中では、万が一の長期の入院、そして精神的な安心も含めて「生活費2年分」を用意しておくことを推奨しています。

ゆかり
いろんな考え方があるのね

家庭の事情は千差万別ですから、絶対にこれが正しいという考え方はありません。
各家庭の事情を考えながら、適切だと思われる生活防衛資金の額を決めるしかないのです。

銀狐先生
あなたの家庭に合わせた生活防衛資金額を考えてみてくださいね。